SUPフィッシングで海に出るのは非常に楽しいですが、トラブルが起きたら台無しに・・・。
さらにはSUPで遊んでいたら遭難して死亡した事例もあり、海でのアクティビティは非常に危険な一面も持ち合わせていることは明白です。また、港近くでのSUPでは漁師さんへの迷惑行為をしてしまう可能性も十分にあります。
そこで今回はSUPフィッシングに行く際の気を付けるべき点を安全、ルールとマナーの二つに分けて紹介していきます。
特に始めたばかりの方・独学で始めている方は、守っているかどうか要チェックしてみて下さい!
また、動画で水難の怖さを知っておきましょう。
安全に関して
十分な技術と知識を身につける
SUPでの事故は96%が自己の過失(※1)によるものです。これを防ぐためにも、まずSUPで効率良く漕げるように正しい姿勢と漕ぎ方を覚えましょう。普段、SUPで座りながら釣りしてるといった方も、SUPの立った姿勢で漕ぎ方を覚えれば今以上に速く進むことが可能になり、いざとなった際には役立ちます。確実に学びたい方は最寄りの講習会への参加をオススメします。
また、以下の2つへの知識不足も指摘(※1)されています。
- 気象海象不注意 - 気象海象についての判断ミスや無関心が原因による事故
- 知識技能不足 - 安全航行への必要となる知識・技能不足による事故
気象海象については、コレといった基準があるわけではないため個人での判断が難しいです。慣れないうちは自己判断せず慣れた知り合いに相談するのも手でしょう。
海上保安庁の資料(※1)によると波高が0.5m以上になると帰還不能な海難が発生する数が急増する傾向にあるようですので1つの目安にしましょう。また、風速についてはいづれにしても海難が高い傾向ですが、風速3m/s以上であったり白波がたつようであれば控えましょう。
上記でも述べましたが、出航する際は助け合いが出来るように知り合いを集って複数での航行をおすすめします。
安全な装備を身につける
平成30年より小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用義務(※2)ができました。
SUPはその対象ではありませんが、着用することにより海中転落時の生存率は2倍以上(※2)になることもあるので必ず着用しましょう。
購入時はライフジャケットの安全基準を満たしていることを示す桜マークの有無も目安になります。
また、事前に確認したいのはSUPボードです。ボードが沈んでしまっては、生還率に大きく関わってきますので、出航前に空気漏れが無いか十分に確認し、注入圧力は規定圧力内に収まるようにしましょう。
帰還が困難になった時には助けを求めるための連絡手段が必要ですので、携帯電話も身につけておきましょう。海上事件・事故の緊急通報用番号の「118」番に連絡してください。海水に浸かっては故障の原因になりますので防水ケースに入れることも忘れずに。
ルール&マナー
漁港の利用
SUPボードを海に降ろす場所に、漁港のスロープの利用を考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、漁港のスロープは各漁業共同組合によって管理されているため勝手に使うことは基本的に禁止されているため、使いたい場合は事前に組合に連絡をとってみて下さい。間違っても無断使用は止めましょう。また、スロープから港湾内にSUPが出せたとしても、漁港の出入り口を通る際は漁船の邪魔にならないように速やかな出入りが必要です。
漁港の近くには養殖施設があることがありますので、迷惑にならないように近くでは釣りをしないようにしましょう。地域によっては監視カメラを取り付けして管理している地域もあります。
航行時
操業中の漁船はもちろん、同様に釣りを楽しんでいるSUPにも不必要に近寄らないで下さい。仕掛けが絡む可能性も出てきますし、下手をすれば接触の可能性もあります。漁船とぶつかった時には相手に気づかれもしないかもしれませんので十分に注意が必要です。特に釣りだけに集中していると周りに気がつきませんので、定期的な周囲の確認を実施しましょう。
漁具・漁法の確認
当サイトで紹介するSUPフィッシングでは使用することはありませんが、各都道府県によっては使用禁止されている漁具・漁法があります。事前に自分のやりたいことが出来るのか確認が必要です。
おわりに
今回はSUPで海に出る時に必要な安全とマナーについて簡単に説明してみました。今回紹介したことが全てではありませんので、海に出る時は常にリスクを考えて行動していきましょう!
参考
※1 海上保安庁 交通部安全対策課「SUP事故発生状況」令和3年3月9日
※2 国土交通省 「ライフジャケットの着用義務拡大」(https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html)